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CD紹介:TAHRA
TAHRAの社長は、アンチェルの師であったヘルマン・シェルヘンの娘(ミリアム・シェルヘン)である。TAHRAが復刻したトロント響を中心とするライヴ録音が、アンチェル再評価の端緒となったと言われる。アンチェルに関してこれほど充実した解説が書かれていることも珍しい。ただ大きな会社ではないため生産枚数が限られており、あっという間に廃盤になってしまう。タイトルが「カレル・アンチェル・エディション」、「エディション・カレル・アンチェル」と統一性を欠いていたり、「アムステルダムのアンチェル」の第2巻があるのに第1巻がなかったり、というのはご愛嬌。本家本元スプラフォンのレパートリーを補完するばかりか、チェコフィルとの貴重なライヴやアムステルダム・コンセルトヘボウとの名演、はたまたインタビューにまで及ぶラインナップで、TAHRAのアルバムをそろえれば一通りアンチェルについて知ることができると言っても過言ではない。
トロント響との演奏は名演を求める向きには物足りないだろうが、いわゆる一流オケでないからこそアンチェルの音楽性があらわになって見える。楽員から愛されていたことが伝わってくるあたたかい音色は、TAHRAのCD作りと相まって優しく響く。
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ハイドン:交響曲第93番/シューベルト:交響曲第9番
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アンチェル指揮、ベルリン放送交響楽団
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1957年、1961年、Tahra、TAH117
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ドヴォルザーク:スラヴ舞曲(全曲)
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アンチェル指揮、ベルリン放送交響楽団
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1957年、1961年、Tahra、TAH118
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リムスキー=コルサコフ:シェエラザード/プロコフィエフ:ロミオとジュリエット
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アンチェル指揮、ベルリン放送交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
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1957年、1961年、Tahra、TAH119
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モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク/メンデルスゾーン:交響曲第5番/シューマン:交響曲第4番/ベートーヴェン:交響曲第8番/同:交響曲第6番/スメタナ:モルダウ(リハーサルと演奏)
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アンチェル指揮、トロント交響楽団
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1968年、1972年、Tahra、TAH121-123
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ハイドン:交響曲第92番/フランク:交響曲ニ短調/ドヴォルザーク:交響曲第8番/プロコフィエフ:交響曲第1番
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アンチェル指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ
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1969年、1970年、Tahra、TAH124-125
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ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲/同:交響曲第7番/同:チェロ協奏曲、同:スラヴ舞曲 op.72
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ヘッセン交響楽団、トロント交響楽団、チェコフィル
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1964年、1968年、1972年、1959年、Tahra、TAH136-137
Karel Ancerl
(カレル・アンチェル)
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モーツァルト:交響曲第38番/ブラームス:交響曲第1番/スメタナ:シャールカ(以上TAH
148、1962年)
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シベリウス:ボヒョラの娘/シベリウス:交響曲第1番/マルティヌー:交響曲第6番(以上TAH149、1962年)
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ドヴォルザーク:交響的変奏曲/ドヴォルザーク:交響曲第9番/スメタナ:モルダウ(以上TAH150、1958年、1956年)
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ストラヴィンスキー:春の祭典/ムソルグスキー:展覧会の絵/ラヴェル:ボレロ(以上TAH158、1964年、1961年)
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スメタナ:我が祖国(TAH159、1967年)
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アンチェル、生涯を語る(TAH160)
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マーラー:亡き子をしのぶ歌/ヤナーチェク:タラス・ブーリバ/プロコフィエフ:ロミオとジュリエット第1組曲(TAH161、1966年、1958年)
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アンチェル指揮、チェコフィル
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Tahra、ANC001
どうしても手に入れたかった7枚組。アンチェルに関する資料は少ないだけに、TAH160「生涯を語る」は貴重である。
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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲
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アンチェル指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ
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1970年、Tahra、TAH155
「アムステルダムのアンチェル 第1巻」というタイトルのCDは出ていないが、内容から察するにTAH124-125がそれに相当すると思われる。
Karel Ancerl 《Primus inter Pares》 vol.1
(カレル・アンチェル《Primus inter Pares》 第1巻)
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ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス
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クレア・ワトソン(S)、モーリン・フォレスター(A)、スチュワート・バロウズ(T)、サイモン・エステス(Bs)、アンチェル指揮、トロント交響楽団、メンデルスゾーン合唱団
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1970年、Tahra、TAH220-221
K.Ancerl《Primus inter Pares》vol.2
(カレル・アンチェル:《Primus inter Pares》 第2巻)
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ブラームス:交響曲第1番/同:ハイドンの主題による変奏曲/同:交響曲第3番/同:ヴァイオリン協奏曲
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アンチェル指揮、チェコフィル、ケルン放送交響楽団、トロント交響楽団
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1966年、1970年、1969年、Tahra、TAH222-223
L'art de Karel Ancerl/Karel Ancerl conducts Mahler's Fifth Symphony
(アンチェルの芸術/アンチェル、マラ5を振る)
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マーラー:交響曲第5番
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アンチェル指揮、トロント交響楽団
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1969年、Tahra、TAH242
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TAHRA版は廃盤のため、再版された ALTUS版
をリンクしておきます。
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ハイドン:交響曲第104番/ブラームス:交響曲第2番/スメタナ:「我が祖国」より抜粋/同:「売られた花嫁」序曲/ヴォジーシェク:交響曲ニ長調
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アンチェル指揮、ベルリン放送交響楽団、アムステルダム・コンセルトヘボウ、チェコフィル
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1970年、1969年、1959年、1966年、Tahra、TAH405-406
Hommage a Geda Anza
(ゲダ・アンザへのオマージュ)
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モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番/ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
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アンチェル指揮、トロント交響楽団/オイゲン・ヨッフム指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ
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1970年、1967年、Tahra、TAH536
余談だが、ヨッフムのブラームスもいい。
Rare enregistrements Mozartiens 1934-1970
(希少なモーツァルト録音 1934〜1970年)
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モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(ミーチャ・ニキシュ(P)、シュルツ・ドーンブルク指揮、ベルリンフィル、1934年)
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同:〈レ・プティ・リアン〉のためのバレエ音楽K.299b(ウィンタートゥア市立交響楽団、ヘルマン・シェルヘン指揮、1941年)
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同:交響曲第39番(レオポルド・ルートヴィヒ指揮、ベルリンフィル、1941年)
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同:ホルン協奏曲第2番(デニス・ブレイン(Cor)、シュミット・イッセルシュテット指揮、1954年)
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同:ディヴェルティメント第11番(シュミット・イッセルシュテット指揮、フランス国立オーオーケストラ、1954年)
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同:交響曲第38番(ハンス・ロスバウド指揮、フランス国立オーケストラ、1954年)
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同:協奏交響曲K.364(オットー・エッケルマン指揮、ケルン放送交響楽団、1955年)
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同:セレナータ・ノットゥルナ(ヘルマン・シェルヘン指揮、トロント交響楽団、1965年)
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同:交響曲第41番(カレル・アンチェル指揮、トロント交響楽団、1970年)
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同:オラトリオ「救われたベトゥーリア」(マリオ・ロッシ指揮、トリノRAI交響楽団&合唱団、1952年)
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Tahra、TAH595-598
「ジュピター」が聴ける点で貴重。
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モーツァルト:レクイエム
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アグネス・ギーベル(S)、ヴィエレ・ソウクポヴァ(A)、ゲオルク・イェルデン(T)、ハインツ・レーフス(B)、アンチェル指揮、プラハ交響楽団、チェコ合唱団
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1966年、Tahra、TAH660
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2008年4月11日公開/2024年8月17日更新
高橋 綾(ayat01 @ infoseek.jp)
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